独立直後のフリーランスは就業不能保険に入れる?——収入実績がない場合の審査と対策

開業したばかりで確定申告の実績がないフリーランスは就業不能保険に加入できるのか。収入証明の考え方と、実績が薄い時期の現実的な対策を解説します。

独立直後は保険に入りにくいと言われる理由

会社員からフリーランスに独立したばかりの人が就業不能保険に申し込もうとすると、「収入実績が確認できない」という理由で加入を断られたり、給付額を大きく制限されたりすることがあります。就業不能保険は「働けなくなったときに失う収入」を補う保険なので、保険会社はまず申込者が実際にどれくらい稼いでいるかを把握したうえで、それに見合った月額給付金を設定しようとします。開業して間もない時期はこの「実績」が存在しないため、審査上どうしても不利になりやすいのです。

なぜ確定申告書の提出が求められるのか

多くの就業不能保険では、申込時に直近1〜2期分の確定申告書(控え)の提出を求められます。これは、給与という客観的な指標がない個人事業主に対して、「本当にその収入が継続的にあるか」を保険会社が確認するための唯一に近い手段だからです。会社員であれば源泉徴収票や在籍証明で足りますが、フリーランスは自己申告だけでは収入を証明できないため、確定申告の実績が事実上の審査基準になっています。独立して1期分の申告も済んでいない場合、この時点で希望する給付額を認めてもらえないケースが出てきます。

実績が薄くても加入しやすいケース

  • 会社員時代と業務内容が同じ・近い場合:独立前に同業種で得ていた給与所得の実績を、事業所得の見込みとして考慮してもらえることがある
  • 開業届と業務委託契約書がある場合:確定申告書がなくても、契約書や請求書の写しで収入見込みを説明できると審査対象になる商品もある
  • 給付額を控えめに設定する場合:満額の給付を求めず、生活費の最低ラインをカバーする程度の月額に抑えることで、審査のハードルが下がりやすい

開業直後にできる現実的な対策

まず、独立してすぐに加入を急ぐ必要があるかを見極めることが大切です。会社員時代に加入していた就業不能保険や所得補償保険がある場合、退職後も一定期間は個人契約に切り替えて継続できる商品もあるため、解約する前に必ず確認しましょう。すでに解約してしまっている場合は、1期分の確定申告を終えたタイミングで改めて申し込むのが最も審査に通りやすいルートです。それまでの空白期間は、緊急予備資金として生活費の3〜6ヶ月分を現金で確保しておくことが、保険の代わりの最低限の備えになります。また、複数の保険会社を比較する際は「開業年数不問」「確定申告1期分から申込可」といった条件を明示している商品を優先的に探すと、選択肢を絞り込みやすくなります。

まとめ:焦って入るより「入れる条件」を整える

独立直後は収入実績がないために就業不能保険の審査で不利になりやすいものの、加入自体が不可能というわけではありません。会社員時代の保険を継続できないか確認し、それが難しければ確定申告の実績を積んでから申し込むのが現実的な進め方です。焦って条件の悪い契約を結ぶより、まずは生活防衛資金で当面のリスクを抑えつつ、実績が整い次第、複数商品を比較して申し込むという順序を意識しましょう。

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