就業不能保険はいくら必要か——フリーランスの生活費から逆算する適正保障額の計算法
就業不能保険の保障額を「なんとなく」で決めていませんか。固定費から逆算する適正保障額の計算方法を具体例つきで解説。
就業不能保険を検討する際、多くのフリーランスが「とりあえず月10万円くらい」で加入してしまいがちです。しかし本来は毎月の固定費と貯蓄状況から逆算して必要な保障額を決めるのが正しい手順です。この記事では、保障額を具体的な数字で計算する方法を紹介します。
まず把握すべき「毎月の固定費」の内訳
- 生活費:家賃・食費・水道光熱費・通信費など、収入がゼロでも発生する支出
- 事業の固定費:オフィス賃料・サブスクツール・外注先への最低支払いなど、廃業しない限り止められない費用
- 社会保険料・税金:国民健康保険料・国民年金・前年所得に基づく住民税や予定納税は収入減後も請求が来る
- ローン返済:住宅ローン・車のローンなど固定で出ていく金額
これらを合計した金額が「収入がゼロになっても毎月出ていくお金」であり、就業不能保険で最低限カバーすべきラインになります。
計算式:適正保障額の出し方
適正保障額 = 毎月の固定費合計 - 貯蓄で耐えられる月数分を差し引いた不足額
- 例:毎月の固定費が28万円、生活防衛資金として貯蓄が3ヶ月分(84万円)ある場合、免責期間中(通常60日〜180日)はその貯蓄で耐えられる
- 免責期間を過ぎた後の給付金は、固定費28万円のうち7〜8割をカバーする20万円程度を目安に設定するケースが多い
- 満額の28万円を保障してしまうと保険料が割高になるため、「貯蓄で耐えられる部分」と「保険でカバーする部分」を分けて考えるのが合理的
「収入の何割を保障するか」の考え方
- 多くの就業不能保険は直近の所得の50〜70%程度までしか加入できない設計になっている(モラルリスク防止のため)
- 確定申告の所得金額(売上ではなく経費差引後の所得)が加入時の審査基準になる点に注意
- 収入が変動する年が多いフリーランスは、直近1〜2年の平均所得を基準に保障額を設定すると安定しやすい
過剰・過小のよくある失敗パターン
- 過剰加入:会社員時代の給与水準をそのまま保障額にしてしまい、保険料が家計を圧迫するケース
- 過小加入:保険料の安さだけで保障額月5万円などに設定し、実際に働けなくなった際に生活費が全く足りないケース
- 固定費の見直し漏れ:独立当初に決めた保障額を、家賃や外注費が増えた後も見直さずに放置しているケース
まとめ
就業不能保険の保障額は、「なんとなくの安心感」ではなく固定費の棚卸しから逆算するのが正解です。年に1回、確定申告のタイミングで固定費と所得を見直し、保障額が実態と合っているか確認する習慣をつけると、保険料の払いすぎも保障不足も防げます。
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